今日なに読もう〜病院総合医の論文日記〜

京都の上さまの元で病院総合医をやっています。バランスの取れた一流の病院総合医目指して修行中!論文メインに挙げていきます。

不整脈

Afに対するアブレーションの効果は

いつも読ませていただいているブログに紹介されていた論文。AfでアブレーションするとQOLはどう変わるか?

https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2728485

30-70歳の 少なくとも6ヶ月有症状の心房細動を持ち、β-blockerを含む1種類の抗不整脈に抵抗性 or intoleranceだった患者をopen-labelでrandomにアブレーション(肺静脈隔離術)と過去に試していない抗不整脈薬に割り付けたmulticenter randomized trial(PROBE法を使用). 除外項目はNYHA Ⅲ-Ⅳ、EF35%未満、LAが60mm以上、過去にアブレーションの既往など。抗凝固薬はアブレーション1ヶ月前からアブレーション3ヶ月後まで使用されています。

Primary Outcomeは12ヶ月時点での General Health Subscale scoreのベースラインからの変化(SF36を使用。0-100点で点数が高いほどQOLが高い). 

General Health Subscale scoreはAblation群で61.873.9点、Medication群で62.765.4点と有意にAblation群で改善しました。PROBE法だけどSoft outcomeなのは少し問題かもしれませんね。

ただ、興味深いのはこの研究では埋込み型ループレコーダーを使用し、アブレーション後のAfについてモニタリングでしている点です。24時間ホルター心電図もbaseline、6、12ヶ月と取られています。が12ヶ月時点での24時間ホルター心電図ではAfが無かったのは84.9% vs 78.4%でしたが、ループレコーダーでは25.3% vs 29.7%と大きな差がありました。

スクリーンショット 2019-06-01 11.34.13 PM

つまりアブレーション後も75%でAfが再発しているということです。

Afのtotalの時間はAblation群 24.9%→5.5%、Medication群で23.3%→11.5%と差が出ておりこの差がQOLの差につながっていると考えられますが、再発は多いという結果になりました。しかも24時間Holterでは捕まえられない。

不整脈非薬物治療ガイドライン2018(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2018_kurita_nogami.pdf)にも「再発を考慮し、血栓塞栓症リスクが高い症例では術後 3 ヵ月以降の抗凝固療法を継続することが望ましい」と書いてありますし、CHADS2 scoreなどが高い症例ではアブレーション後も抗凝固療法が必要なことの裏付けになったかと思います. (どれくらいの期間のAfが血栓リスクになるかは不明ですが。。)

PSVTに対するValsalva Maneuver

PSVTの治療で寝たまま足上げバルサルバでも上手く治ったので復習。

Unknown
普通のバルサルバ法の成功率は5-20%程度のようです。いいのは修正バルサルバ法なのかもしれませんが、少し面倒・・。修正バルサルバは45度座位で40mmHgの圧を15秒させておいて、吹き終わったら座位から臥位にさせて足を45度上げて15秒待ちます(動画参照)。


https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(15)61485-4/fulltext

これでSinus復帰率は通常の座位バルサルバに比べて17%→43%に上がります。でも座位から臥位にさせるのも面倒ですし、まあVenous returnを増やして動脈圧を上げて迷走神経緊張を上げるだけでいいなら臥位で腕を上げてみては?と提案している論文もあります。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27658335

というわけで今回は足も上げてみましたがうまくいきました。ちなみにテルモ10ccのシリンジを思いっきり吹くと40mmHgくらいなのでお試しあれ。
プロフィール

nagano1123

関西で一流の病院総合医目指して修行中

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